未経験で介護・福祉職へ|新人1年目の不安を減らす5つの行動と成長ロードマップ
介護や障害福祉、児童福祉の仕事を始めたばかりの頃は
「何をすればいいのか分からない」
「利用者さんとうまく関われるかな」
「先輩に迷惑をかけないかな」
「自分にこの仕事が務まるのかな」
と、不安になることがよくあるのではないでしょうか?
特に未経験から福祉職に入ると
利用者への対応だけでなく
記録、申し送り、会議、行事、家族対応など
初めて経験することが一気に増えていきます
最初から全部できる必要はありません
厚生労働省も
介護未経験者が介護について知り
「介護分野で働く際の不安を払拭できるよう」
入門的研修を推進しています
つまり
未経験者が介護の仕事に不安を感じることを前提として
人材育成の仕組みが考えられているわけです
僕自身も未経験から介護職を始め
その後、障害福祉・児童福祉へと仕事の幅を広げてきました
福祉の現場で働いてきた経験から感じるのは
新人1年目で大切なのは
「早く一人前になること」ではなく
「分からないことを少しずつ減らすこと」
です
この記事では
新人職員が最初の1年間で意識したいことについて
入職直後 → 3か月 → 半年 → 1年
という成長の流れも含めて解説します
焦って周囲に追いつく必要はありません
まずは「今日より少し分かることを増やす」
そこから始めてみましょう
ぜひ参考にしてください
結論|新人1年目は「できることを増やす期間」と考えよう

新人1年目に、いきなりベテラン職員と同じように働こうとする必要はありません
まず意識してほしいのは、次の5つです
- 仕事の流れを覚える
- 利用者を知る
- 先輩の支援から「理由」を学ぶ
- 他職種・他部署とつながる
- 自分の得意なことを一つ見つける
ですが
この5つを一気に身につける必要もありません
僕の経験上
最初の1か月:仕事を知る
↓
3か月:利用者を知る
↓
半年:支援の理由を考える
↓
1年:自分の強みを作る
くらいのイメージが最適です
もちろん成長速度には個人差があります
「3か月経ったのに、まだできない」
と焦る必要はありません
あくまで
今の自分がどこにいるのかを確認する目安として考えてください
そもそも新人が不安になるのは珍しいことではない

福祉の仕事には、覚えることがたくさんあります
介護施設なら
- 食事・入浴・排泄などの介助
- 記録
- 申し送り・引継ぎ
- レクリエーション
- 行事
- 夜勤
- 家族との関わり
放課後等デイサービスなどの児童福祉なら
- 子どもとの関わり
- 活動や療育
- 送迎
- 記録
- 保護者対応
- 長期休暇中の活動
- 行事
などがあります
さらに福祉職では
単純に「仕事の手順」だけを覚えればいいわけではありません
同じ声かけや介助でも
利用者によって適切な対応が違うからです
そのため
「仕事を覚える」+「利用者さんを理解する」
という2つの学習を同時に進める必要があります
これが
新人時代に「覚えることが多すぎる」
と感じやすい理由の一つだと僕は考えています
介護未経験者の不安を減らす目的で
厚生労働省も「介護に関する入門的研修」を推進しています
介護の基礎知識を先に学びたい人は
こうした研修や介護職員初任者研修を利用するのも一つの方法です
【外部リンク】
厚生労働省「介護人材確保に向けた取組について」
【内部リンク】
「介護職は無資格でもできる?資格を取ってから働くメリット・デメリットを比較」
新人1年目で意識したい5つのこと

① まずは「仕事の流れ」を覚える

最初に優先したいのは、職場で
「いつ、何をするのか」
を把握することです
たとえば
【毎日】
記録、申し送り、清掃、利用者対応
【毎週】
レクリエーション、会議、活動準備
【毎月】
行事、研修、各種確認
【年間】
季節行事、健康診断、年度替わりなど
というようにある程度のルーティーンワークを整理すると
仕事の全体像が見えやすくなります
ポイントは
「全部できるようになる」より先に
「何があるのかを知る」こと
です
分からない仕事が突然出てくる状態では不安になります
一方
「来週はこれがある」
「来月はこの行事がある」
と分かっていれば
事前に先輩へ確認できます
先が少し見えるだけでも
仕事はかなり進めやすくなります
② 利用者を「覚える」のではなく「知る」

次に大切なのが、利用者さんを知ることです
名前や年齢、病気、障がい特性など
情報を覚えることも必要です
しかし、本当に重要なのはその先です
たとえば
「どんなことが好きなのか」
「何を嫌がるのか」
「どんな声かけなら伝わりやすいのか」
「自分でできることは何か」
「どんなときに不安になりやすいのか」
など
その人を知ることが
支援を考える材料になります
僕の経験上
新人時代ほど「観察」が重要だと考えています
いきなり正解の支援をしようとするより
関わる → 観察する → 先輩に聞く → また関わる
を繰り返す
この方が現実的です
ただし
利用者の情報を個人の手帳やスマートフォンなどへ安易に記録することはおすすめしません
個人情報の取り扱いについては
必ず勤務先のルールに従ってください
③ 先輩の「やり方」ではなく「理由」を学ぶ

新人職員は、先輩の仕事を見て学びます
これは非常に大切な姿勢です
ただし
先輩と同じことをする=正しい支援
とは限りません
「どうして、この声かけをしたんだろう?」
「なぜ全部介助せずに待ったんだろう?」
「なぜこの人には、この対応なんだろう?」
という視点をもつことがより大切です
そして分からなければ
「さっき○○という対応をしていましたが、どういう理由ですか?」
と聞いてみることも必要です
ここで重要なのは
先輩の支援を批判するために疑問を持つのではないということです
支援の根拠を学ぶために「なぜ?」を持つ
という姿勢で聞きましょう
福祉の仕事では
利用者の状態、本人・家族の意向、支援計画、事業所の方針など
複数の情報から支援を考える必要があります
「先輩がやっていたから」ではなく
「なぜこの支援をするのか説明できる」
状態を少しずつ目指してみてください
利用者対応の視点・考え方については別記事もありますので
参考にしてみてください
④ 他職種・他部署とも少しずつ関係を作る

福祉の仕事は、一人では完結しません
介護職だけでなく
看護師、相談員、ケアマネジャー、機能訓練職、栄養士、保育士、児童指導員、サービス管理責任者など
さまざまな職種と連携します
だからこそ、新人のうちから
「困ったときに相談できる人を増やす」
ことを意識してみてください
これは単なる「人脈作り」ではありません
利用者を一方向からではなく
いろいろな専門職の視点から見るためでもあります
また
人間関係は働き続けるうえでも軽視できません
介護労働に関する調査でも
介護関係の仕事を辞めた理由として
「職場の人間関係」が上位に挙げられています
【外部リンク】
介護労働実態調査に関する資料
だからといって
「全員と仲良くしなければ」
と考える必要はありません
まずは
あいさつ+一言
くらいからで十分です
「お疲れさまです。今日忙しかったですね]
「ありがとうございました。助かりました」
そんな小さなコミュニケーションを積み重ねていきましょう
介護職員の人間関係についての悩み、解決策については
こちらの記事でも触れていますので
参考にしてみてください
⑤ 1年目から「自分の強み」を一つ作ってみる

ある程度仕事に慣れてきたら
自分が少し得意なこと
を探してみてください
大きな特技じゃなくても大丈夫です
たとえば
- パソコンが得意
- 工作が好き
- レクリエーションを考えるのが好き
- 利用者の話を聞くのが得意
- 整理整頓が得意
- 記録を書くのが得意
- 子どもと遊ぶのが得意
- 新しいツールを試すのが好き
などです
新人だからこそ
今までの人生経験を持ち込める強みもあります
ただ
「得意だから勝手にやる」
のは違います
福祉の仕事では
利用者の安全や支援方針との整合性が必要です
「こういうことをやってみたいのですが、どうでしょうか?」
と上司や先輩に相談し
提案 → 確認 → 実践 → 振り返り
を繰り返してみてください
小さな成功体験が増えていくと
「自分にもできる仕事がある」
という自信につながっていきます
新人1年目の成長ロードマップ

ここまでを時間軸で整理します
入職〜1か月|まずは「知る」
仕事の流れ
職員の名前
利用者の名前
勤務ルール
などを覚えていきます
この時期は「できる」より
「分からないことを確認できる」
ことの方が重要です
1〜3か月|基本業務を繰り返す
毎日のルーティン業務を経験しながら
「この時間・時期にはこれをする」
という仕事の流れを身につけます
同時並行で
利用者との関係も少しずつ作っていきましょう
3〜6か月|「なぜ?」を増やす
仕事の流れが見えてきたら
「どうやるか」から
「なぜそうするのか」
の視点を持って行動を心掛けましょう
支援方法、声かけ、介助方法などについて
根拠を考える習慣をつけていきます
6か月〜1年|自分の強みを作る
一通りの業務を経験してきたら
「自分は何が得意だろう?」
と考えてみてください
さらに
今後のキャリアについて考え始めるのにも良い時期です
【介護・福祉資格の取得時期シミュレーター】(無料)
介護職は、無資格・未経験から始めても、働きながら資格取得を目指せます
ただし
実務者研修を始める時期や介護福祉士試験を受けられる年度は
入社日によって変わります
まだ入社前の方も
予定している入社日を入力すれば
おおよその資格取得スケジュールを確認できます
1年経っても不安なら「自分がダメ」と決めつけない

仕事を続けても
「なかなか仕事を覚えられない」
「職場になじめない」
「毎日仕事に行くのがつらい」
ということもあります
しかし
「福祉職に向いていない」のか
「今の職場が自分に合っていない」のかは
分けて考える必要があります
介護職でも
特別養護老人ホーム
デイサービス
訪問介護
有料老人ホームなどでは
仕事内容がかなり違います
さらに福祉全体まで広げれば
障がい福祉や児童福祉という選択肢もあります
僕自身も
高齢者介護だけでなく障がい福祉や児童福祉へ経験を広げたことで
自分の働き方について選べる選択肢が増えました
「この職場でうまくいかない」
というだけで
「福祉の仕事は自分には無理だ」
と決めてしまわないでください
辞めたいと考えたときの思考法については
こちらも参考にしてみてください
1年目から少しだけ「その先」も考えてみよう

最初の1年間は、目の前の仕事を覚えるだけでも十分です
ただ、少し余裕が出てきたら
「この経験を将来どう使うか」
も考えてみてください
介護職なら
初任者研修
↓
実務者研修
↓
介護福祉士
という資格取得のキャリアがあります
このブログでは僕の経験を踏まえたうえで
介護福祉士 → 保育士 → 社会福祉士
と資格や経験を横につなげていくことをおすすめしていて
高齢者・障がい・児童・相談援助へと選択肢を広げていく考え方を
「黄金のキャリア形成」と呼んでいます
新人1年目は、まだキャリアの入口です
だからこそ
「今の職場で一生働かなければならない」
と考える必要もありません
今身につけている経験は、次の選択肢を作るための材料にもなります
もちろん、一つの職場で長く働き続けることも
選択肢の一つです
未経験で職場選びに不安があるなら第三者に相談する方法もある

まだ就職前の方や
「今の職場で本当に大丈夫かな」
と感じている方は
求人を自分一人で探すだけでなく
介護職向けの転職サービスを使って情報収集する方法もあります
特に未経験の場合は
- 未経験者への教育体制
- 資格取得支援
- 夜勤開始までの期間
- OJTの有無
- 職場の雰囲気
- 給与・手当
- 希望する働き方
などを確認してから職場を選ぶことが重要です
求人票だけでは分からない部分もあるため
複数の求人を比較してみるのも一つの方法です
【レバウェル介護】
介護職の求人を幅広く探したい方に
条件を伝えて相談しながら転職活動を進めたい人にも向いています
→【レバウェル介護の求人を見てみる】
【かいご畑】
介護業界が未経験の方や
これから資格取得も考えている方にチェックしてほしいサービスです
資格取得支援制度も特徴の一つです
→【かいご畑で求人を探してみる】
転職サービスによって
扱っている求人やサポート内容には違いがあります
「登録すれば良い職場が見つかる」
と断定する必要はありません
あくまで
「自分一人で判断せず、情報を増やすための選択肢」
として紹介するのがおすすめです
介護系の転職サービスについて
比較している記事がありますので、転職を考えている方の参考になるはずです
一度見てみてください
まとめ|1年目は「完璧になる期間」ではなく「土台を作る期間」

未経験から福祉職に入ると
分からないことが次々に出てきます
だからこそ、新人1年目は焦らなくて大丈夫です
意識したいのは
仕事の流れを知る
↓
利用者を知る
↓
支援の理由を考える
↓
相談できる人を増やす
↓
自分の強みを見つける
という流れです
1年経ったからといって
すべての仕事ができる必要もありません
僕自身も福祉の仕事を長く続けていますが
今でも分からないことはたくさんあります
むしろ福祉職は
人を相手にする仕事だからこそ
「分かったつもりにならず、考え続けること」
が大切なのだと思います
そして、少し仕事に慣れてきたら
その経験を資格取得や次のキャリアにつなげてみてください
新人1年目はゴールではありません
これから自分に合った働き方を作っていくための
最初の1年です
最後まで読んでくださった方
ありがとうございました






