福祉の現場で生成AIを活用する方法|支援・レク準備を効率化する具体例
介護、障がい福祉、児童福祉の仕事は
利用者さんと直接関わる「人対人」の仕事です
そのため
「福祉の仕事でAIって使えるの?」
「AIを使っても、そんなに仕事は変わらないのでは?」
と思う方もいるかもしれません
しかし実際には
人と関わる仕事だからこそ
AIに任せられる部分を上手に切り分けることが大切だと僕は考えています
僕自身、介護・障がい福祉・児童福祉の現場で15年以上働いてきましたが
支援そのものだけでなく
レクリエーションの準備
説明資料の作成
活動のアイデア出しなど
意外と準備に時間を使います
そこで役立つのが生成AIです
この記事では
福祉現場で生成AIをどのように活用できるのか
特に僕が便利だと感じている「視覚化ツール」への活用方法を中心に紹介します
AIに支援を丸投げするのではありません
AIに任せられる準備を効率化して
人にしかできない支援に時間を使う
これが、福祉現場でAIを活用する大きなメリットです
福祉の仕事はAIに置き換えられるのか?

介護、障がい者支援、児童支援などでは
- 利用者さんの表情を見る
- 気持ちを汲み取る
- 声をかける
- 身体介助をする
- 一緒に活動する
- 家族と相談する
といった、人と直接関わる業務が多くあります
そのため
生成AIだけですべての仕事が完結するわけではありません
むしろ僕がおすすめしたいのは
「支援そのもの」ではなく
「支援をするための準備」
にAIを使うことです
例えばレクリエーションを行う場合
「何をしよう?」
「どうやって説明しよう?」
「分かりやすい資料を作らないと……」
と考えているだけでも時間がかかります
こうした部分をAIに手伝ってもらえば
準備時間を短縮できます
レクリエーション実施が苦手な人へ向けた別記事もありますので
参考にしてみてください
福祉現場で生成AIを活用できる場面

生成AIというと文章作成をイメージするかもしれませんが
福祉現場ではさまざまな使い方が考えられます
例えば
- レクリエーションのアイデア出し
- 活動内容のたたき台作成
- 工作のアイデア出し
- 説明文を分かりやすくする
- 子ども向けの言葉に変換する
- 視覚的な説明資料を作る
- イラストを作る
- スケジュールを視覚化する
- 研修内容を整理する
などです(たくさんありますね!)
もちろん
AIが出した内容をそのまま使うのではなく
最後は支援者自身が確認することが前提です
それでも
「0から考える」のと
「AIが作った70点の案を修正する」のでは
準備にかかる負担がかなり違います
特におすすめなのが「視覚化ツール」

僕が福祉現場で特に使いやすいと思っているのが
視覚化ツールの作成です
ここでいう視覚化ツールとは
言葉だけでは伝わりにくいことを
絵や写真、図などを使って分かりやすくするもの
と考えてください
例えば
- 今日のスケジュール
- 遊びのルール
- 工作の手順
- 完成品のイメージ
- 集合場所
- 活動する場所
- 約束事
などです
口頭で
「これから○○をして、その後○○に移動して……」
と説明するだけでは
利用者さんによっては理解しにくい場合があります
そんなとき
「見ると分かる」
状態を作ってあげることができます
視覚情報があると「見通し」を持ちやすくなる

視覚化の大きなメリットの一つが
これから何をするのかイメージしやすくなることです
例えば工作をするとき
言葉だけで工程を説明するよりも
①紙を切る
↓
②貼る
↓
③色を塗る
↓
④完成!
という流れが絵で見えた方が理解しやすい場合があります
また
「次に何をするの?」
という不安も減らせます
視覚化することで
分かる
↓
見通しが持てる
↓
安心して行動しやすくなる
という支援につなげることができます
生成AIを使えば視覚化ツールを短時間で作れる

視覚化ツールを作るにはデメリットがあり
それは
毎回作るのが大変
ということです
イラストを探したり
文章を考えたり
レイアウトを整えたり
利用者さん一人ひとりに合わせようとすると
さらに時間がかかります
そこで生成AIを活用します
例えば
「小学生にも分かるように、工作の手順を4段階で説明して」
と依頼すれば、説明のたたき台を作れます
さらに画像生成AIを利用すれば
説明用のイラストを作ることもできます。
活用例① 今日の流れを視覚化する

例えば
「今日の活動の流れを、子どもにも分かりやすく4つに分けて」
とAIに依頼します
すると
①はじまりの会
②宿題
③おやつ
④レクリエーション
といった形に整理できます
必要に応じて
それぞれにイラストを付ければさらに分かりやすくできます
活用例② 集まってほしい場所を伝える

広い部屋や体育館などでは
「ここに集まってください」
と言葉だけで説明しても伝わりにくい場合があります
そんなときも
場所+色+人物
などを組み合わせた簡単かつ具体的なイラストがあると便利です
説明する側も
「この絵と同じ場所に集まってね」
と伝えられます
活用例③ 工作の手順を説明する

工作活動とも相性が良いです
例えば
①切る
②折る
③貼る
④完成
という工程を
それぞれイラストにします
完成品も最初に見せておけば
「これを作るんだ」
というゴールを利用者さんはイメージしやすくなります
AIを使うときは「プロンプト」を具体的にする

生成AIへの指示文を「プロンプト」と呼びます
難しく考える必要はありません
例えば
「工作の説明を作って」
だけではなく
「放課後等デイサービスで小学生に工作を説明します。4工程に分けて、短い文章で、子どもにも理解しやすい表現にしてください」
と伝えます
ポイントは
誰に・何を・どのように伝えたいのか
を具体的にすることです
一回で思い通りのものが出なくても大丈夫です
「もっと簡単に」
「文字を減らして」
「3段階にして」
など、追加で指示していけば修正できます
AIを使うときに絶対に気をつけたいこと

便利だからこそ、注意点もあります
特に福祉現場では
利用者さんの個人情報の扱いには十分注意する必要があります
例えば
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 顔写真
- 障害や疾病に関する情報
- 家族情報
- 支援記録
- 個別支援計画の内容
などを
職場のルールを確認せず
安易に生成AIへ入力するべきではありません
また
AIの回答が常に正しいとは限りません
制度、法律、医療、支援方法などについてAIを利用する場合も
AIの回答=正解
とは考えず
必要に応じて公的資料などで確認しましょう
AIに「支援の判断」まで任せない

もう一つ重要なのがここです
AIは
「この活動にはどんな工夫ができる?」
「子ども向けに説明を簡単にして」
といった補助には非常に便利です
しかし
目の前の利用者さんに何が必要なのかを最終的に判断するのは支援者です
表情、声のトーン、その日の体調、家庭状況、これまでの関係性
こうした情報を総合して判断することは
人と関わっている支援者だからこそできます
人と関わる支援のテクニックについても別記事があります
参考にしてみてください
AIに支援を任せるのではなく
AIを使って支援者の仕事を助けてもらう
この距離感が大切だと思います
AIで時間を作り、その時間を利用者さんに使おう

福祉現場で働いていると
「もっと利用者さんと関わりたいけど、準備することが多い」
という場面があります
だからこそ
AIを使えるところでは使っていいと思います
- レクリエーションを考える
- 説明文を作る
- 視覚化する
- アイデアを整理する
こうした準備にかかっていた時間が少し短くなれば
その分だけ利用者と直に関わるために使える時間を増やせます
AIを使う目的は
人との関わりを減らすことではありません
むしろ
AIで効率化できる仕事を減らして
人にしかできない仕事に時間を使う
これが福祉現場における生成AIの上手な使い方ではないでしょうか
まとめ|AIは福祉職の「代わり」ではなく「道具」

生成AIは
福祉の仕事そのものを代わりにやってくれるものではありません
しかし
- アイデアを考える
- 情報を整理する
- 説明を分かりやすくする
- 視覚化ツールを作る
- レクリエーションの準備をする
といった仕事では、大きな助けになります
まずは小さな仕事から使ってみてください
使いながら
「これはAIに任せられる」
「これは自分が考えるべき」
という境界線も見えてきます
AIに人の仕事を奪ってもらうのではなく
手間のかかる準備を手伝ってもらう
そして
そこで生まれた時間を利用者さんとの関わりに使う
福祉職にとっては
そんなAIの使い方が一番価値があると僕は思います
最後まで読んでくださった方
ありがとうございました



