介護や放課後等デイサービスなどの福祉現場で働いていると

「そろそろリーダーをやってみない?」
と声をかけられることがあります

でも
「自分より介護技術が高い人がいる」
「まだ分からないこともある」
「人をまとめる自信なんてない」
そんな不安を感じる方もいるのではないでしょうか?

僕自身、福祉の現場で働く中で
現場スタッフだけでなくリーダーや管理職など
複数の立場を経験してきました

その経験から感じるのは
良いリーダー=何でも完璧にできる人
ではないということです

むしろ大切なのは
「みんなが同じ方向へ進めるように、現場の流れを整えること」
だと僕は考えています

この記事では
介護や放課後等デイサービスなどの福祉現場を想定して

  • リーダーとはどんな立場なのか
  • リーダーに求められる能力
  • 管理職との違い
  • リーダー経験をその後のキャリアにどう活かすか

を、僕自身の経験も交えながら解説します

出世を目指している人はもちろん
「管理職には興味がないけど、今後のキャリアは考えておきたい」
という方にも参考になれば嬉しいです

福祉職のリーダーは「役職名」だけでは決まらない

最初に知っておきたいのが

「リーダー」という立場は
すべての事業所で同じではない
ということです

主任、ユニットリーダー、現場リーダー、チーフなど
会社によって名称も役割も違います

明確に役職として任命され
役職手当が付く場合もあれば
特別な肩書きはないけれど
経験のある職員が実質的に現場をまとめているケースもあります

そのため
「こうすれば絶対リーダーになれる」
「こうすれば役職手当がもらえる」
と一律には言えません

ですが
僕自身も福祉現場で働く中で感じていたのは

肩書きにこだわるよりも
リーダーとはどういう存在かを知る
という視点を持ち

スタッフとして広い視野を持つことは
長期的にみるとキャリア形成のプラスになる
ということです

スタッフとして自身の価値を高めていく考え方については
こちらの記事も参考にしてみてください

前提として「職員をまとめる役割」は重要|放課後等デイサービスの例

たとえば放課後等デイサービスでは
管理者や児童発達支援管理責任者、児童指導員、保育士など
さまざまな立場の職員が一緒に支援を行います

そして、子どもへの支援は
職員一人だけの判断で行うものではありません

個別支援計画や事業所の支援方針を踏まえながら
職員同士で情報を共有し
支援の方向性を合わせていく必要があります

こども家庭庁の「放課後等デイサービスガイドライン」でも
適切な知識と技術をもって支援が行われるよう
職員を統括する指導的役割の職員を配置するなど
支援の質を確保するための職員配置に留意する必要があるとされています
また、職員間の意思疎通や情報共有、職員全体での共通理解も重要とされています

つまり
「自分だけ良い支援ができる」
だけでは十分ではありません

「チームとして良い支援ができる状態を作る」
ことも、福祉現場では大前提となります

良いリーダーは「エース」ではなく「キャプテン」

僕がリーダーについて考えるときによく使うのが
「エースではなく、キャプテンを目指す」
という考え方です

もちろん

  • 介護技術が高い
  • 子どもへの対応が上手
  • 知識が豊富
  • 仕事が速い

こうした能力があることは大きな強みです

でも、チームの中で一番仕事ができる人が
そのまま一番良いリーダーになるとは限りません

高校野球でも
キャプテンがレギュラーではなく
サードコーチャーをしている
というところは
結構あります

リーダーには
自分ができること以上に
周囲が動きやすい状態を作ること
が求められるからです

僕が考えるリーダーの重要な役割を一言で表すなら
「流れを整えること」
です

リーダーに必要なのは「支援を統一する力」

介護や放課後デイなどの現場では
職員によって考え方の違いが生まれることがあります

経験年数も違えば
持っている資格も
これまで働いてきた分野も違います

だからこそ
「自分ならこう支援する」
「いや、こっちのほうが良い」
と意見が分かれることがあります

意見が違うこと自体が悪いわけではありません
むしろ
いろいろな視点から考えることは支援の質を高めることにもつながります

問題になるのは
話し合わないまま
それぞれが違う支援を続けてしまうこと
です

放課後等デイサービスで考えてみる

たとえば、活動への参加を嫌がる子どもがいたとします

職員Aさんは
「嫌がっているなら無理に参加させなくても良い」
と考える

一方で職員Bさんは
「経験を増やすためにも参加を促したほうが良い」
と考える

どちらにも理由があります

ここで
Aさんの日は参加しなくて良い
Bさんの日は必ず参加する
という状態になってしまうと
子ども自身も混乱する可能性があります

そこで必要になるのが
「この子にとって、今どんな支援が必要なのか」
をチームで考えることです

  • 個別支援計画
  • 本人の気持ち
  • 保護者の意向
  • これまでの支援記録
  • 子どもの発達や特性
  • 事業所の支援方針

こうした情報をもとに話し合い
「このチームでは、まずこう関わってみよう」
と方向性を整えていく

僕は
こうした調整ができる人こそ現場のリーダーに向いていると思っています

「自分の考えに従わせる人」がリーダーではない

リーダーになると
「自分がチームを引っ張らなければ」
と考えすぎてしまうことがあります

でも
「俺がリーダーだからこうする」
では、単なる個人の価値観になってしまいます

判断に迷ったときこそ

  • 個別支援計画
  • 本人・家族の意向
  • 事業所の支援方針
  • 支援記録
  • 法令やガイドライン
  • 管理者や児童発達支援管理責任者の判断

など、冷静に立ち戻って考えられることが大切です

リーダーは
「答えを全部持っている人」ではなく
「チームで答えを考えられる状態を作る人」
だと僕は考えています

リーダーと管理職は何が違う?

ここも事業所によって役割は異なります

そのうえで
僕自身の経験からざっくり分けるなら

リーダー

現場に入りながら職員間の調整や情報共有
支援の方向性を整える

管理職

人員配置、職員育成、事業所運営、家庭対応、関係機関との調整など
より広い範囲を見る

というイメージです

放課後等デイサービスガイドラインでも
設置者・管理者には法令遵守だけでなく
支援の質や職員の資質向上、労働環境、組織運営など幅広い役割が求められています

そのため管理職を目指すのであれば
現場技術だけではなく「人や組織を見る力」も少しずつ身につけていく
ことが重要になってきます

リーダー経験は管理職へのステップにもなる

管理職を目指したい人にとって
現場リーダーを経験することには大きな意味があります

なぜなら
自分の仕事だけを見る状態から
「チーム全体を見る状態」
へ視点を広げる練習ができるからです

僕自身も役職を経験して感じましたが
上の立場になるほど
「自分ならどうするか」
だけではなく
「この事業所としてどうするか」
を考える場面が増えていきます

  • 職員への声かけ
  • 新人教育
  • 家庭対応
  • 勤務調整
  • 他職種との連携
  • トラブルへの対応

こうした経験は、現場支援とはまた違った能力を育ててくれます

ある程度大変な部分や、責任を伴うプレッシャーはあるかもしれませんが
このブログでは福祉職でツラい人に向けた
マインドセットを色々紹介しています

将来のキャリア形成を考え
大変なこともワクワクするような体験であると
思考法の転換をしてみてはどうでしょうか


ただし「管理職になること」がゴールではない

ここがこの記事で大事なところです

出世することだけがキャリアアップではありません

僕自身
管理職として働いて収入が増えた経験もあれば

ライフプランを考えて役職を手放し
別の福祉分野へ転職した経験もあります

だからこそ
「上に行けば行くほど成功」
とは考えていません

  • リーダーを経験して管理職を目指す
  • 現場のスペシャリストになる
  • 資格を取る
  • 別の福祉分野へ移る
  • 相談援助を学ぶ
  • 働く時間を変える

どれも立派なキャリア形成です

大切なのは
経験を積みながら
自分が選べる道を増やしていくこと
です

リーダーを目指すなら、まずこの3つから始めてみよう

いきなり完璧なリーダーになる必要はありません

まずは普段の仕事の中でできることから始めていきましょう

① 自分以外の職員の動きを見る

自分の仕事だけではなく
「今、チーム全体はどう動いているかな」
と一歩引いて見るクセをつけます

② 意見が違ったときに「なぜ?」を聞く

相手を否定するのではなく
「なぜそう考えたんだろう」
と理由を確認します

そこから支援の方向性を話し合います

③ 根拠に戻って考える

迷ったら

  • 個別支援計画
  • 事業所の方針
  • 本人・家族の意向
  • 過去の記録
  • 法令・ガイドライン

など、根拠をみつけて立ち戻ります

以上の3つを意識するだけでも

「自分の仕事をする人」から
「チームを見る人」へ

少しずつ視点を広げることができます

まとめ|良いリーダーは「みんなが力を出せる流れ」を作る

福祉職のリーダーに必要なのは
何でも一人で完璧にできることではありません

僕がこれまで
介護・児童福祉・障がい福祉の現場で15年以上働いてきて感じるのは
「自分が一番できる人になる」より
「みんなが力を出せる状態を作る」

ことのほうが大切だということです

  • 現場を見る
  • 人を見る
  • 意見を聞く
  • 根拠を確認する
  • そしてチームの方向性を整える

こうした経験は
管理職を目指す場合だけでなく
その後どんな福祉の仕事を選ぶとしても自分の中に残っていきます

だからリーダーになる機会があれば
単なる「出世」と考えるのではなく

自分の人的資本を高め
これからの選択肢を増やす経験

として挑戦してみるのも一つの方法です

大切なのは管理職になることではなく
経験や資格を積み重ねながら
自分に合った働き方を選べるようになること
だと僕は思っています

そんな価値観をみつけ
「リーダーとはどういうものか」
を知り
そのうえで自分はどうするか?

考えられるきっかけにしてみてください

最後まで読んでくださった方
ありがとうございました

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