介護福祉士が社会的評価を上げるためにやるべき具体的な行動3選
厚生労働省が発表している「令和7年度 介護のしごと魅力発信等事業事業間連携等事業 報告書」というものがあります
この報告書の中でアンケート調査をしていて
介護職員が思う、自分の仕事のイメージ 等のデータが色々とあります
その中から一部引用させていただき、表を作りました
令和7年度 介護のしごと魅力発信等事業事業間連携等事業 報告書 表82
介護の仕事に対するネガティブなイメージ【介護職】より一部

他にも介護養成校等に通う学生や、学生の保護者、指導をしている先生にもアンケートを取っているので、良ければ見てみてください
リンクを貼っておきます
令和7年度 介護のしごと魅力発信等事業事業間連携等事業 報告書
今回はこの中から「社会的評価が低い」というイメージを払拭すべく
介護福祉士が社会的評価を高めていくために行うべき
具体的な3つの行動についてお伝えします
最後まで読むことで
介護福祉士って何する人?
と聞かれたら、自信を持って
介護福祉士って、こういう仕事をする人で、こういう存在意義がある人なんだよ
と答えられるようになります
この記事を読んで、行動に移すかどうかは読んだ人次第ですが、行動に移せば確実に前向きな評価に変わっていきます
やるべき行動① どんな人にでも教えられるようになれ

初任者研修保持者と介護福祉士の大きな違いと現実は
「経験の浅い職員に介護業務を教えることができる」という点です
新人(または経験が浅い人)の育成は、介護福祉士が行う
これがルールとしてシステムが構築されている事業所は、どれくらいあるでしょうか
僕の体感では半々くらいです
半分くらいの事業所では、資格の有無は関係なく、単純に「勤めて経験の長いスタッフ」が新人指導に当たるのではないかなと思います
「介護者に対して介護に関する指導を行う」ことが介護福祉士の役割であると
社会福祉士及び介護福祉士法 に記載されています
よく、犯罪など何か良くないことをした人(芸能人とかもたまにある)が、更生のために介護の仕事をする という話を聞いたことがあるのではないでしょうか
それを聞いた時
「介護は誰にでもできる仕事」というイメージを持つ人が一定数出現する(社会的評価が下がっている)
それを知った現場の介護職員→「そんな簡単な仕事じゃないのに、軽んじられるのは納得がいかない
という思考に走ってしまいそうです
でももう少し深く考えてみてください
一度道を踏み外したような人や新人・未経験の職員に向け、誰にでもできるように、利用者の尊厳に配慮をしながら相手にとって不快なく、適切に介護を行うことができるように 教えられる介護のプロが存在する
という考えができます
高い知識を持って、親切丁寧に教えられる職員が居るという前提のもと
社会復帰や更正のために、介護の仕事が選ばれているということです
そしてその指導を行う職員は誰かといえば、まぎれもない、介護福祉士です
そう考えると、専門性を誇れるような資格であると思いませんか?
介護福祉士を持っていたら、率先して新人の指導を担うようにしましょう
もちろん高い専門性と、豊富な知識、自信と根拠を持てるように努力してください
やるべき行動② 研修を企画しろ

具体的には
・虐待防止研修(身体拘束含む)
・感染予防研修
この2つの企画、実施を率先して担うことをおススメします
なぜかというと、この2つの研修は、介護保険法に基づいて運営している事業所は、実施が義務付けられているからです 実施していない事業所は減算対象となります
介護保険法はこちら
そしてこの研修、僕の体感ですが毎年、「誰がどんな形で実施するか」は悩んでいる事業所が多いと思います
どこも人で不足で、研修の企画や実施は
「やらないといけないのはわかっているけど、、、」
という所は多いハズですから
ここを率先して介護福祉士のあなたがぜひ企画、実施までやってみてください
そうなると事業所の管理職はかなり喜ぶことが想像されます「助かるわぁ」と言ってくれるでしょう
そういう姿勢は、事業所としては「宝」です
存在感、評価も上がっていく事は間違いないです
やるべき行動③ 価値をアピールして交渉をしろ

ここが一番大事なところです
賃金や労働環境について、交渉をしてください
交渉する相手は上司や、もっと上の権限を持つ社長等に話ができるとベストです
そんなのムリだよ!
と、思う気持ちはわかります
門前払いをくらうかもしれません
ですが、そういった交渉ができる、根拠をどんどん積み上げていこうという話です
・新人育成を率先して行っている
・研修の企画を率先して引き受けている
特にこの2つを実践してできているとしたら、この事実は事業所に多大なるプラス要素を生んでいることです
そしてそれは、法に基づいた介護福祉士のあるべき姿として、実践しているのですから
交渉のテーブルに付いたとき、無下に断る上司はそっちの方が非難されるべき対象であり、いわばブラックな企業ともいえると思いますので、退職を検討しても良いところです
ここが肝心で、現場で働く介護福祉士が、社会的評価を上げていき、自身の価値を高め、正当な対価を受け取ったり、働きやすい労働環境を手に入れられるか
もちろん過剰で不当な権利の主張はしてはいけません ケンカ腰で賃金の交渉をしても、ケンカ別れをしたり、後が気まずくなる等のデメリットが大きくなります
交渉をするときは「これだけの仕事を、法に基づいた姿勢で行っている」と事実を伝え、それに対する評価を聞き、双方納得ができるかどうかの話し合いを進めていきましょう
そして、会社の理念をしっかりと理解していることも大事です
「会社の理念に沿って行動している」ことを伝え、管理職と同じ方向を向いていること、そのうえで「前向きに働きたいからこそ、待遇や環境をより納得ができる状態にしていきたい」
という感じで伝えましょう
ちなみに先述2点のやるべき行動の、法に基づいた根拠は
「社会福祉士法及び介護福祉士法」にある
「介護者に対して介護に関する指導を行うこと」
「資質向上の責務」
に基づいています
そして「賃金や待遇に関する交渉」については
介護福祉士に限らず、労働者が持つ権利です
「社長に対して個人の社員が賃金の交渉をしてはならない」という就業規則でも無い限りは、交渉は認められている権利です
ぜひとも勇気を出して交渉しましょう
介護福祉士の存在意義 その他メリットを確認

金銭面でのメリット
事業所視点で言うと、介護福祉士が一定数働いていることで加算が付き、報酬がもらえます
個人単位でも資格手当が付くので、収入が増えます
これらは一般的な資格取得のメリットですが
「お金を最優先事項として、資格を取る」という考え方は推奨しません
お金は大事で、決して間違っているとは言いませんが、これを第一義としてしまうと「どうして手当や加算がつくのか」「存在する意義は何なのか」といった疑問に、当の介護福祉士自身が答えられない という事態になりやすくなってしまいます
結果として、資格を持っているだけで存在意義を見失い、横柄な介護福祉士が出現したり、持っている知識や経験をどう活用するかの理解まで至らない有資格者が増えていると、僕は感じています
介護福祉士の有資格者が
- 自分たちの価値を上げるべく奔走し、周囲の貢献に動く人
- 停滞し、知識の普及や周囲の育成や改善に力を注がない人
に二極化している現状があると考えています
ですが、先述した3つの行動を実践できているような方は前者です
同じ介護福祉士でも、自身の価値を高められている有資格者である方が、長期的には有利です
初任者研修修了者との違いを明確にしておく
初任者研修修了者と、介護福祉士の違いはざっくりいうと
基礎や基本理念を学んだだけであるか、それを昇華させた学びを追加で学んでいるか
です
初任者研修修了のみで10年働いている方と、初任者研修~介護福祉士になりトータル10年働いている方で、考え方にどういう違いがあるかというと
利用者対応について
「パターンで当てはめて対応を考え実践する」のが初任者
「パターンを踏まえ、一人ひとりに分けて考えその利用者に合った対応を考える実践する」のが介護福祉士
です
あくまで傾向ですが、初任者研修のまま長く働いている方は、思考が一定まで行くとそれ以上考えようとせず、自分の持っている知識や経験で利用者対応をパターン化し、それを当てはめて対応しようとするのではないかと思います
介護福祉士は、資格を取る学びの段階で「一人ひとりに合った介護を考え実践する」ことが役割であると知っています
この「一律に考えず、あくまで一人ひとりに合った対応を考え続ける」ことと
「正解は無いと知りながら、思考を続けながら行動する」
これこそ、介護福祉士の存在意義です
この考えに至るのは、やはり3年くらいかかります
「こういう利用者にはこういう介護が良い」というパターンをまず知ることが必要になりますので、経験が必要になってきます
そして3年は介護福祉士の受験資格を満たす要件でもあります
経験を踏まえ、パターンを知り、そのうえで「一人ひとりに合った介護を考え行動できる」のが、介護福祉士です
初任者研修修了者もこの考えを持つことができていれば、介護福祉士に相当する存在であるので、あとは受験して資格をぜひとも取ってください
理念を忘れ、はき違える介護福祉士も居る
逆に、介護福祉士なのに、こういった本来持つべき思考や実践ができない職員、あるいはやろうとしない職員が一定数いるのも事実です
資格を持ち、手当をもらうだけで満足し、あぐらをかいているような職員
それに対して咎められたり、罰せられることもなく過ごしているような介護福祉士も居ると思います
こういう人の行動が、介護福祉士の「社会的評価を下げる」ことに繋がり、ひいては「賃金が上がらない」という事態も招くと思います
なので、先述した「根拠に基づく、価値を上げるための行動」と「交渉」
が重要になります
長期で考える 3年 5年 10年

体力面、精神面、収入面、ツラいと感じることも多いのが介護職のイメージで、事実であるという部分もあると思います
ですが、経験が実になり、職場環境、事業形態、勤務体系など、色々な選択肢があるのが介護職です
明るい将来を見据え、前向きに転職をするのは、僕はアリだと思います
1年でやめても大丈夫です
その先を考えて、理想の働き方をみつけて、理想の人生にする
特に介護福祉士は、取るのに約3年かかりますが、僕は「取ってからの3年」の方が重要だと考えています
介護福祉士は国家資格ですから、基本生涯持ち続けられます
それをベースとして、働く選択肢が大幅に広がり、世界が広くなります
その中から自分に合った働き方を見つけ出すことができるのが、資格取得後の3年です
このブログでは、介護福祉士の次は保育士 を黄金のキャリアと命名し、取得を推奨しています(黄金のキャリアとは←こちら)
さらなる働き方の選択肢と稼ぐ力の向上が、低リスクで目指せるからです
その次として、僕は社会福祉士を目指しています
そんな風に長期で先を見据え、少しずつ階段を上っていこうという日々は、前向きで楽しいものです
この話がみなさんの参考になるとうれしいです
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました




