介護職員として働いていると、「転職」について考える時期が必ずあると思います

この記事では「介護職員の転職」について述べますが、結論としては転職するか否かについてどちらかを強く勧めることはありません

同じ職場に居続けることでメリットはありますし、転職したとしてもメリットはあります

今どうしたいか

将来どうなりたいか

この両面で考え、自分にとってベストな選択をしてもらいたい、ということで

  • 退職や転職が頭をよぎった時に、冷静に考え判断ができるための材料
  • メリットとデメリット
  • スムーズな転職の仕方

について、お伝えしていこうと思います

  • 体力的にしんどい
  • 人間関係に悩んでいる
  • 将来のビジョンに不安がある

等の理由から転職を考えたとき

「辞めて次に何ができるか心配」
「収入面で心配」
「辞めたら色々な人に迷惑がかかるかも」
と退職に二の足を踏んでいる方

または

逆に「今がツラい、キツイ、どうしても今すぐに辞めたい」と後先考えず、とりあえず辞めてみよう、と考えている方

に、一度読んでみてほしい内容です

僕自身、転職をした経験は4回ほどあります

その中で、新規オープンの介護福祉施設で一介護スタッフとして働き始め、同期入社が40人くらい居たんですが、5年くらいで主任になることができ、現場に入りながら管理職としての業務も行っていた時期がありました

そのあたりの経験も踏まえ、お伝えします

楽しく続けられている場合は辞める必要はない

まず最初に「辞めないメリット」をお伝えしようと思います
「転職のデメリット」と置き換えて考えても大丈夫です

後述する「転職のメリット」と照らし合わせ、自分にとってどちらがメリットが大きいか、判断して行動してください

辞めないメリット① 収入は基本右肩上がりで上昇する

あくまで一般例ですが、日本では基本給というのは年々上昇する傾向にあります

加えて介護職員は「処遇改善手当」というものが2年に1度のペースで見直されながら支給されています こちらも支給額は増加傾向にあります(処遇改善手当と歴史については、厚生労働省HPよりこちら

辞めないメリット② 出世できる可能性が高まる

長く勤めれば必ず出世できるというワケではありませんが、入社1年目よりも可能性が高いのは明白です

長く勤める経験を十二分に活かし、会社への貢献、利用者への貢献、新人育成等の知識と技術を積み重ねていくことで出世やさらなる昇給に近づくことができます

出世の仕方についてはこちらを参考にしてみてください

辞めないメリット③ 資格取得に必要な実務経験証明が取りやすく、最短になる

介護福祉士を目指すのであれば3年の実務経験が必要になります

転職しても合算できますが、証明書の取得はそれぞれ務めた事業所に発行をお願いしなければならないので、複数の職場だと手間です 
さらに、転職まで空白の期間があると、丸3年という必要な実務経験や従事日数を満たすことができなくなる可能性があるので、注意してください

介護福祉士取得、最善ルートについてはこちらを参考にしてください

辞めないメリット④ 「勝手知ったる」状態になると働きやすい

転職して1年目って、慣れるまでが結構キツイんですよね
物品や建物の間取りにしても、どこに何があるのかがよくわからないし、事業所独自のルールがあったりして、理解に時間がかかりますし、、、
先輩に聞けばいいけど、まず何を誰に聞いたら良いのかわからないし、名前もわからないし
といったところでストレスが溜まりやすいのが実状ではないでしょうか

長年働くとこの辺のストレスはかなり無くなっていき、働きやすい状態になります

入社1年目の過ごし方については参考記事があります

辞めないメリット⑤ 大手だと退職金の積み上げが大きい

これについては正直、大きなメリットだとは僕は考えていませんので、参考程度に読んでください

退職金の積み立ては基本、給料から差し引かれて積み立てられているものです
積立金額が大きいということは、その分月々の給与から見えない形で差し引かれている場合が多い、ということです

いくらが掛け金で、どういう積み立て方をされているのか、経理に聞けば基本は教えてくれますが、ちゃんと理解している人は少ないのではないかと思います
大きな法人とかだと、積み立てや掛け金、勤務年数に対しての増え方が大きい場合が多いです
また、企業型DC(企業型確定拠出年金) 中小企業退職金共済(中退共)等で退職金を積み立てている場合は、積立金を転職時に持ち運べるという制度があります(ポータビリティ)

退職金についてはおまけとして考え、退職金を多く積み立てたいのであれば、iDeCoで自身で形成するという手段もありますので、「長く働くと退職金に差が出るから、転職は我慢する」というのは、僕としてはあまりおススメしたくない考え方です できるなら転職を検討する理由付けとしては「自分の人生の価値観」を大事にしてもらいたいという視点から、微々たる退職金の差で、歩む人生の可能性を狭めることはデメリットになってしまうからです

ここまでが「辞めないメリット」です
それぞれ逆の側面を考えると「転職のデメリット」という考えにも置き換えられますので、参考にしてください

そしてその他の「転職のリスク」としては

  • 新たな仕事での収入を得るまでの、一時的な収入源(基本給もリセットになる)
  • 人間関係等の職場環境について、「前の方がまだマシだった」という状況になる可能性がある

等がありますが、これらについての解決策は後述します

転職のメリット 可能性の広がり 長期的には金銭面でプラスもあり得る

転職のメリットは主に5つ

・人間関係のリセット
・キャリア形成における視野の広がり
・自分に合った働き方の発見
・長期的に、見合う賃金を目指すためのステップ
・通勤時間の有効活用

です 順番に解説します

人間関係のリセット

嫌な先輩上司、同僚はどうしたって居るものです

理不尽なことをされたり、小言をチクチクと毎日言われたり、単純に怖かったり
そういう人と、無理に付き合おうとするのは精神的にキツいですし、頑張って上手く付き合おうと努力を続けてても、あまりメリットは多く生まれないような気が、僕はしています
こちらが歩み寄ろうと努力をしても、理不尽な人は理不尽な対応を取るからです

相手の心理や行動は、自分にはコントロールできないことですので、それをどうにかしようと努力を続け、精神的に削られていく未来が想像できるなら、転職をしてしまった方が良いと、僕自身は思います

もちろん、人間関係を上手くいかせようとする努力が、今や将来の自分にとってプラスに働くと想像ができるならば、続けていくのを否定はしません

キャリア形成における視野の広がり

このブログで推奨している「黄金のキャリア形成」では、介護職から保育士資格を取り、児童福祉も経験することをおススメしています

高齢者から児童、障がい者へと対応する利用者を変え、活かせる知識や経験を活用し、新たなやりがいを発見する
そういった視点を持つと、生涯、人生で役に立つ知識が得られますし自分らしく楽しく働くという可能性も広がります

経験を積み、いずれ高齢者介護に戻り、その経験もさらに活かしながら働く、というキャリアも、全然可能なことです

自分に合った働き方の発見

同じ介護の業界でも、働き方は色々あります

認知症対応に特化するグループホームとか、重度身体介護が多い訪問介護とか
夜勤をたくさんやるとか、日勤帯で土日が休めるデイサービスとか、フレキシブルに時間を選ばず掛け持ちで働く訪問介護とか

自分のライフスタイルに合った働き方で、無理なく楽しく働きたいという方は、こういった視点で転職を考えてみると良いです

ちなみに僕はこの「勤務曜日」で休みを日・祝に固定したいと思い、転職をしました

土日関係なく、早番遅番があり、夜勤も週1で入るシフト勤務の「特養」で働いていて、「デイサービス」へと転職をしようと考えたんですが、いかんせん賃金が下がりすぎるなあ、と思いつつ、色々とハローワークで求人を見ていたら、介護福祉士を活かせる職種として「障がい福祉サービス」がありました

その事業所には「放課後等デイサービス」があり、自分が子ども好きだったのもあり、思い切って応募して、新たな出会いや楽しいキャリア形成につながる転職ができたと思っています

長期的に、見合う賃金を目指すためのステップ

これも僕自身の経験なのですが、以前特養で管理職として働くことができるようになると、一般の介護職員よりはまあまあ基本給が高くなりました、基本給が高いとボーナスも高くなるので、年収にすると一般の介護職員より50~60万円ほどは多くもらっていたのではないかなと思います

その上がった分を放棄してでも、業務量とライフスタイルを重要視して、「給料が下がってもいい」と思い、転職をしました
それでもそこから5年くらい経ち、順調に昇給ができて結局、以前管理職をしていた時と同じくらいの収入が得られるようになりました
しかも、人間関係等環境的にも良く、無理な残業もほとんど無く、楽しく働けています

こういった可能性が、転職にはあります
さらに、以前の経験と新たな経験を併せ持ちながら働くことで、福祉業界で視野の広さを持ち、「稼ぎ方」というものも身についていきます
独立や副業だって、できる可能性があります

通勤時間の有効活用

転職をする際にメリットとするために考えてほしいのが、「働く場所」です
通勤時間は短い方が、メリットになります
「職場を変えることで、通勤時間が行きと帰りでトータル40分短縮された」
となれば、その40分をどう使うか

  • 副業をする
  • 自己投資として新たな学びの時間にする
  • 少し早くに出勤し、ゆとりを持って業務に臨む
  • 家で家族との時間を増やす
  • 趣味の時間にする

などなど、色々な前向きな時間の使い方ができそうです
自分の時間はタダではありません
時間を有効に使うために、転職を前向きに考えるのはアリです

転職を考えたらやっておくこと3つ

転職エージェントに相談

転職を決断したら、退職に向かって漫然と日々を過ごすことはおススメしません

というか、決断をする前に、転職が頭をよぎったタイミングで「転職エージェントに相談」をしましょう 無料です
そこで、自分の価値を知り、経験がどんな職種で活かされるか、どんな勤務形態があるか、相談をしておくと良いです
退職に突き進むのはその後です

退職には収入面でリスクが伴うので、そのリスクヘッジと考えてください
少し時間のリソースを使いますが、退職する前に、「転職エージェントに相談」はやっておきましょう

※相談をすると、すぐに転職を勧められてしまうことがあるので、「今は検討している段階」であると伝えるようにしましょう

将来のキャリアをイメージ

先述した「辞めないメリット」「転職のメリット」にもありますが、今後どのような人生を歩みたいか、そのためにキャリアをどう描きたいか これをなるべく具体的に、明確にしておきましょう

イメージが湧かないので、イメージを膨らませるために転職をする 
という考えも間違ってはいませんが、それでも「どんなライフプランで生きるかを考える」というのは、豊かな人生を歩んでいくために必要なプロセスです

3年後、5年後、10年後、20年後、どんな人生と働き方が理想か
考えを再構築して、転職を考えていきましょう

ある程度の生活資金を用意しておく

こちらも金銭面でのリスクヘッジになりますが、できるならば半年分くらいの生活防衛資金を用意しておきたいです
生活防衛資金の説明については、マネーフォワードクラウドのHPにあります(こちら

先述した「辞めないメリット」の最後に載せた「転職のリスク」

  • 新たな仕事での収入を得るまでの、一時的な収入源(基本給もリセットになる)
  • 人間関係等の職場環境について、「前の方がまだマシだった」という状況になる可能性がある

と、ありました
この2点を解決するのが「生活防衛資金の確保」になりますので、こちらも準備をできる限りしておきましょう
準備が難しければ2~3か月分でも良いですし、リスク面についてそれほど大きな心配はないという事であれば、必要ない方も居るかもしれません

近年の離職率は下がっている

参考情報ですが、介護職の離職率は減少傾向にあります
厚生労働省と公益財団法人介護労働安定センターの資料では、令和6年度で

項目離職率
介護職員12.4%
全産業平均14.2%

となっています
ちなみに10~15年前は、

  • 介護職:約17~19%
  • 全産業:約14~16%

でした
全産業よりも、「辞めにくい」職種になっているんです

理由と背景には

  1. 処遇改善加算などによる給与の改善
  2. 職場環境・教育体制の充実
  3. ICT・介護ロボットの導入による負担軽減
  4. 介護福祉士の専門性への評価向上
  5. 人手不足を背景とした事業所の定着対策
  6. 長く働く職員が増えたこと

があるようです
報酬面だけでなく、働く環境全体としての見直しがここ5~6年で進み、離職率が低下しているので
転職をするにしても、長く働くにしても、メリットが大きくなる傾向にある職種
ということが言えそうです

介護の仕事の特徴

厚生労働省が発表している
令和7年度 介護のしごと魅力発信等事業事業間連携等事業 報告書」にもありましたが

介護の仕事のキツイ面はアンケート調査によると

・体力的にキツイ
・精神的にキツイ
・少子高齢化のため、全体的に人手不足でキツイ

の3要素が大きくあります
加えて介護職員の「辞めた理由」について、ドクターメイトのHPからの引用になりますが

公益財団法人介護労働安定センターが公表した、令和5年度の介護労働実態調査の労働者調査によると、直前職が介護関係の仕事だった介護従事者の直前職を辞めた理由について

「職場の人間関係に問題があったため」が 34.3%で最も多く
「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」の 26.3%
「他に良い仕事・職場があったため」の 19.9%
「収入が少なかったため」の 16.6%と続いた

という情報があります
「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」という理由が上位にあるのは個人的に初耳でした
なので、転職を考える際には これらについても頭に入れておき

・体力面で合った業務内容
・働いている人間(年齢層や総人数)
・理念や方針の確認

をイメージしながら転職を考えると、こちらもリスクヘッジとなるでしょう

最近では「リベンジ退職」という言葉を耳にします
リベンジ退職の説明は、マイナビキャリアリサーチラボのページを参考にしてください

要は、従業員が企業や上司に対する不満や怒りを背景に、意図的に報復的行動を伴って退職することです

こちらについてはおススメしません
理由としては個人的に経験上

  • 業界は狭いので、悪い評判が転職先にも行き届く可能性がある
  • 一時の感情で行動すると、後で後悔する可能性が高い
  • 犯罪となる可能性もある

からです
辞めるときは、正当に権利を主張しながら、円満に退職できるようにした方が絶対に良いです

終わりに 介護職員が、辞めたいのに辞めにくくなる理由2つ

最後に主観を大きく交えて、僕の経験から伝えます
介護職員が「辞めたいのに辞めにくくなる理由」は

  • 人手不足
  • 利用者との近さ

の2つが要因となっていると感じます

人手不足なのに、、、

例えば退職しようと決意したとき、上司や同僚に伝えると思うのですが、後ろめたさを感じませんか

僕はものすごく感じて

有給消化はいらないです

といって退職したことがあります
これって傍から見たら、「なんで?」「ア〇じゃないの?」という意見だと思います

でも、ものすごい人手不足なのはどの介護施設でも一緒ですし、すごく申し訳なさを感じてしまったので、そう言ってしまいました

自分の浅はかさというか、変な正義感というか、そういったものを排除して考えるなら、要因は「介護業界の深刻な人手不足」ということが理由になるかと思います

辞めても人は入る、大丈夫というある程度の観測があれば、「退職に後ろめたさを感じる」というストレスは減るのではないかな、と思っています

みなさんは退職時、しっかり有給は使い切りましょう

利用者との近さ

介護職は、利用者に向き合い、寄り添いながら仕事をします
関係も、親密になっていくことが多いです
しかも、老い先はそう長くない方と、です

どうしてもセンチメンタルな感情が生まれ、できる限りのことはしよう、と思いながら関わりあうことが多くなっていき、お互いに信頼関係が芽生え、深まっていくことが多くあると思います

そうなると、やっぱり「辞めようと思ったら、その人の存在が頭に残り、辞めにくい」といった感情も生まれやすいのではないかと思います

それは「その人の尊厳を守る」や「利用者一人ひとりに合った対応をする」といった面で、介護職員としての本質であると感じます
ですが、その考えが「退職に二の足を踏ませている」のだとしたら、それには違和感があります

そういったときにはやはり、「メリットとデメリット」の視点や、「自身の価値観」「自身の目指すライフプラン」を明確にしておくことが大事です

特定の利用者を大事に思い、近くに居て働き続けること

自分の将来のキャリア形成を重んじ、転職をすること

比べたときに何を大事にしていきたいか
どちらを選ぶと後悔が少ないか
一方で、善意にすがりつくような人間も居ると、知っておくことは必要です
また、誰かに依存をすることは、時にその人の成長を妨げることもあり、周囲のスタッフの負担を増やすこともある、と頭に入れておきましょう

この記事を読んで、判断の材料となるとうれしいです

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました

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