介護士が転職するメリット・デメリット|「辞める・残る」で迷ったときの判断基準
もう今の職場を辞めようかな・・・
介護職員として働いていると
一度くらい転職が頭をよぎることがあるのではないでしょうか?
でも、いざ本当に辞めようと思うと
- 給料が下がったらどうしよう
- 次の職場も人間関係が悪かったら?
- 今まで積み上げた経験がもったいない
- 利用者や同僚に迷惑をかけてしまう
- そもそも介護以外に何ができる?
こんな不安が出てきます
ですが逆に仕事がツラいときは
「もう何でもいいから辞めたい!」
と思うこともあります
僕は福祉業界で15年以上働き
特別養護老人ホーム・障がい福祉事業所・児童発達支援事業所・放課後等デイサービスなどでの勤務を経験してきました
転職も4回ほど経験しています
特養では一般介護職から主任になり
収入もそれなりに増えました
それでも結婚や子育てをきっかけに
「今の働き方をこのまま続けるのか?」
と考えるようになり
収入が下がることを承知で転職をしたという経験もあります
そんな僕が今思うのは
- 転職すること
- 今の職場に残ること
どちらも間違いではなく
メリットデメリットは両方にある
ということです
大事なのは
「転職する?しない?」だけで頭をいっぱいにしないことです
この記事では
転職のメリット・デメリットだけでなく
実際に転職して働き方を変えてきた経験から
「辞める・残る」を考えるための判断を冷静に考えることができるような
基準を紹介します
勢い任せに転職をするのではなく
自分に合った最適な選択
そして後悔しない選択に近づいていけるよう、解説します
また
「今の働き方」「悩んでいること」「変えたいこと」「大切にしたいこと」「理想の生活」を自分で書き出せる
「介護職の働き方・転職整理シート」も無料で用意しました
「転職する?しない?」だけで悩むのではなく
まずは自分がこれからどう働きたいのかを一緒に整理していきましょう
結論|「転職する?」より「今、何を変えたい?」から考える

「転職しようかな」が頭によぎった瞬間から
- 転職する
- 転職しない
の2択で考えてしまう人は多いのではないでしょうか
その前に一度
「自分は今、何を変えたいんだろう?」
と考えてみてほしいです
例えば
- 給料を増やしたい
- 夜勤を減らしたい
- 人間関係を変えたい
- 身体的な負担を減らしたい
- 家族との時間を増やしたい
- 新しい仕事を経験したい
- 将来の選択肢を増やしたい
「辞める」ことによる生活への影響や変化は多く生まれます
ですが、上記のような「変えたいもの」は
本当に転職をしないと変えられないものなのでしょうか?
当然ものによっては
今の会社ではどう頑張っても変えられないこともあります
「辞めたいから転職する」のではなく
「○○を変えたい。その方法の一つとして転職を考える」
という考え方をもつことが大事です
転職はゴールではありません
自分らしく働くための手段のひとつです
今の職場に残る3つのメリット

「転職のメリット」を考える前に
「今の職場に残ったら何が得られるのか」
も考えてみましょう
いわば、「転職しないメリット」です
今の職場が嫌になっていると
どうしても悪い部分ばかり見えてしまいます
でも、辞めることで失うものもあります
①経験や勤続年数を積み上げられる

- 介護技術
- 利用者対応
- 家族対応
- 多職種連携
- 後輩指導
- リーダー経験
などは、同じ職場で働き続けることで積み重なるものです
僕自身、特養で長く働き
周囲との連携や協力、利用者との信頼関係を深め
それが評価された結果
一般の介護職員から主任になることができました
主任になると
「自分が介護できればいい」だけではなく
「チーム全体がどうすれば動きやすくなるか」
という視点が必要になります
この経験は
転職した現在でもかなり役立っています
→【内部リンク:福祉職のリーダーに求められる役割とは?】
②仕事に慣れていること自体が大きなメリット

実際に何度か転職して感じた大きなことは
転職1年目って、何かとしんどいことが結構ある
ということです
介護の経験があっても
「どこにオムツがあるんだ?」
「この記録はどこに書くんだ?」
「誰に何を聞けばいいんだ?」
「この事業所独自のルールは何だ?」
といったことは起こり得ます
利用者の名前、職員の名前、建物の構造、物品の置き場所、業務の流れ、記録方法、職場独自のルールなどなど・・・
全部覚え直しです
仕事内容には慣れていても
その職場では新人です
長く働くことで、このストレスがかなり減ります
「勝手知ったる状態」は
それだけで働きやすさにつながります
→【内部リンク:未経験で介護・福祉職へ|新人1年目の不安を減らす5つの行動】
③実務経験を途切れず積み重ねやすい

介護福祉士を実務経験ルートで目指す場合
従業期間3年以上(1,095日以上)+従事日数540日以上
などの要件があります
転職しても対象となる実務経験を合算できますが、複数の勤務先で経験を積んだ場合は、それぞれの事業所に実務経験証明書を作成してもらう必要があります
資格取得を目前にしているなら
「今転職することが資格取得スケジュールに影響しないか」
も確認しておきましょう
受験要件は必ず最新情報を確認してください
→【内部リンク:介護福祉士を取るための最短より「最善」ルート】
転職する5つのメリット

では反対に
転職することで何を変えられるのでしょうか
僕が実際に転職して感じたメリットは
大きく5つあります
①人間関係をリセットできる

介護はチームで行う仕事です
だからこそ、「人間関係」は働きやすさにかなり影響します
もちろん、少し嫌な人がいるだけで転職する必要はありません
自分からコミュニケーションを取ることで改善できることもあります
でも、自分では変えられない人間関係もあります
こちらが努力しても
相手の性格や行動まではコントロールできません
何年先も同じ環境で精神的に削られている自分が想像できるなら
環境を変えることも選択肢です
ただし
転職すれば必ず人間関係が良くなるわけではない
という点は忘れないようにしましょう
②自分に合った働き方を探せる

一口に介護職といっても
特養・老健・デイサービス・グループホーム・訪問介護・有料老人ホームなど
働き方はかなり違います
僕自身、特養で働いていた頃は
早番・遅番・夜勤があり
土日祝を含めたシフト勤務
という働き方でした
独身の頃は
生活リズムがズレたり、固定休みではないことがそれほど気にならず
むしろ
「夜勤をやってどんどん稼ぎたい」
くらいに思っていました
でも、結婚して子どもができると価値観が変わりました
「収入も大切だけど、家族と過ごせる時間もほしい」
と思うようになったんです
仕事が変わらなくても
人生が変われば、自分に合う理想の働き方も変わります
これは僕が転職を経験して強く感じていることです
③介護以外の福祉分野へキャリアを広げられる

この「キャリア」については
このブログで特に伝えたいところです
介護職から転職すると考えると
「じゃあ次はどこの介護施設にしよう?」
となりやすいと思います
僕も最初はそうでした
ところが求人を調べていると
介護福祉士の資格や
介護経験を活かせる障がい福祉の仕事
があることを知りました
そして
保育士資格も活かすことができると知り
保育士という国家資格も取得
その後、児童発達支援や放課後等デイサービスと出会いました
もしあのとき
「自分は介護福祉士だから、ずっと介護でやっていく」
と決めつけていたら
今のキャリアにはつながっていなかったと思います
介護経験は
高齢者介護の中だけで使えるものではありません
→【内部リンク:介護福祉士と保育士のダブルライセンスで何が変わった?】
→【内部リンク:黄金のキャリア形成とは】
④自分の「時間」を取り戻せる可能性がある

求人を見ると、どうしても給料に目が行きます
でも転職では
「時間も待遇の一つ」
として考えてみてください
たとえば
転職することで通勤時間が往復40分短くなったとします
年間200日勤務なら
40分×200日=約133時間
になります
133時間あれば
- 家族と過ごす
- 資格取得やスキルアップの勉強をする
- 副業をする
- 趣味を楽しむ
- 何もしないで休む
などなど、色々できます
僕自身
転職して日曜・祝日に休みやすい働き方になり
以前より家族との予定を合わせやすくなりました
給料明細には表示されませんが
自分で自由に使える時間が増える
ということも立派な報酬
と考えることができます
⑤長期的には収入を取り戻せる可能性もある

僕が転職するとき
一番悩んだのが収入でした
特養で主任になっていたので
一般職だった頃より収入も上がっていました
それを一度手放して
「給料が下がっても、働き方を変えよう」
と決めました
実際、転職直後は収入が下がりました
でも新しい分野で経験を積み、資格を増やし、役割も増えていったことで、数年かけて収入も上がっていきました
結果として僕の場合は
以前管理職をしていた頃に近い水準まで戻っています
転職すれば給料が上がる場合もあるし、下がる場合もあります
転職直後の給料から、たとえば5年後の給料をイメージするのはなかなか難しいかもしれませんが
ムリなく働き続けることで、パフォーマンスが上がり、評価され、給与が上がっていく可能性は全然あります
少しだけ、長期的なステップアップのイメージを持って働いてみるのも良いと思います
もちろん転職にはデメリットもある

ここまで読むと
転職をおすすめしているように見えるかもしれません
でも、誰にでも転職をおすすめしたいわけではありません
転職には当然リスクがあります
| デメリットとなりうること | 考えておきたいこと |
|---|---|
| 収入が下がる | 月給だけでなく年収・賞与・手当まで比較 |
| 新たな人間関係 | 次の職場が良い保証はない |
| 慣れない環境 | 経験者でも最初は新人 |
| キャリアプランの見直し | 今の職場だから積める経験を失う可能性 |
特に
「今の職場が嫌だから、とりあえず辞める」
には注意したいです
たとえば
「身体介護が体力的に厳しい」という悩みなのに
特養A → 特養B
と職場だけを変えても
同じ悩みが出てくる可能性があります
そんなときは
「会社を変える」
だけではなく
働き方や福祉分野そのものを変える
ところまで考えてみてもいいと思います
【実体験】収入を下げて転職した理由。それでも後悔していない

僕の転職で一番大きかったのは
「仕事で何を大切にするか」が変わったこと
でした
独身だった頃は
「たくさん働いて、できるだけ稼ぎたい」
という考えが強くありました
若かったので体力もあり、夜勤もできましたし
仕事中心の生活でもそれほど困りませんでした
長く働くうちに主任となり
責任も収入も増えました
でも、結婚して子どもができると
同じ働き方でも、自分の価値観が変わりました
仕事が嫌いになったわけではありません
介護が嫌いになったわけでもありません
ただ
「この働き方は、今の自分の人生には合わなくなってきたのかもしれない」
と思うようになりました
そこで僕は
収入が下がることを承知で環境を変えました
そして高齢者介護とは違う障がい福祉や児童福祉分野に入り、保育士資格も取得しました
現在はさらに社会福祉士を目指しています
振り返ってみると
僕が本当に変えたかったのは「会社」ではなく「働き方」だった
のだと思います
特養での主任時代、一般の介護職員よりも給与は多くもらっていましたが
業務は多岐に渡りました
普通に現場のシフトに入るだけでなく
- パートや正職員含む、シフトの作成や調整
- 休んだスタッフのフォロー
- 他職種との会議や情報共有
- 新人教育
- マニュアル作成
などなど、やりがいのある部分もありましたが、すごく忙しくなりました
そんな中で「働き方を変えたい」と強く思った出来事は
休みや夜中にスタッフから
「こんなことがありました。どうすればいいですか」
という内容の電話がかかってくることでした
もちろんそのスタッフを責めたいワケではありません
頼りにしてくれることや、情報を速やかに伝えている姿に
「ありがたい」「よく頑張っている」という気持ちにもなります
ですが、働き方として
プライベートや家族の時間を削っていかれるという事実もまたありました
その部分で一番に葛藤し、働き方を思い切って変えた
という経緯があります
転職後は自分の生活スタイルに合った休みや勤務時間を手に入れることができました
しかも経験がそのまま活かせる部分も多く
新たな学びへの興味から、資格取得とスキルアップなど
充実した働き方へと変わりました
収入が一時的に下がった事実はありましたが
今でも後悔はありません
介護経験は「高齢者介護以外」にも持っていける

僕が高齢者介護から児童分野へ移って感じたのは
介護で身につけたものは、思っていた以上に持っていける
ということでした
- 相手の小さな変化を見る観察力
- 相手に合わせたコミュニケーション
- 記録を書く力
- 家族対応
- チーム支援
- 多職種連携
- 危険予測
- 本人の「できること」を見る視点
などです
もちろん、高齢者と子どもでは必要な知識も支援方法も違います
新しく勉強しなければならないこともたくさんありました
でも、
介護職を辞める=今までの経験を捨てる
ではありませんでした
僕の場合はむしろ
介護経験の上に、新しい経験を積み重ねる
という感覚に近かったです
転職するか迷ったら、まず「今の働き方」を整理してみよう

「転職ってどうなんだろう…」
そう思い始めると、つい
- 今より給料が高いところはある?
- 人間関係が良い職場に行きたい
- 転職して失敗したらどうしよう
- 今の職場に残った方が安全かも
と、「転職する・しない」の2択で考えてしまいがちですが
その前に一度
「自分は今の働き方の、何を変えたいんだろう?」
ということを考えてみてほしいです
「辞めたい理由」だけでなく「これから大切にしたいこと」を考える

たとえば
今の職場への不満が「給料」だったとしても
- 本当に給料だけを上げたいのか
- 多少収入が下がっても、夜勤を減らして家族との時間を増やしたいのか
- 身体的な負担を減らしながら、長く福祉の仕事を続けたいのか
- 資格や経験を活かして、新しい仕事にも挑戦してみたいのか
などによって、探すべき求人は変わってきます
僕自身も、若い頃は収入を増やすことの優先順位がかなり高かったです
しかし結婚や子育てを経験して、働き方を見直す中で
収入だけではなく
家族との時間・休日・やりがい・これからのキャリア
も大切にしたいと思うようになりました
そして高齢者介護から児童・障がい福祉へ環境を変えたことで、一時的に収入が下がった時期はありましたが
結果として家族との時間を確保しながら、新しい経験や資格を積み重ねる働き方につなげることができました
だからこそ
「転職した方が得か?」だけで考えなくていい
と思っています
大切なのは
これから自分がどんな働き方・生活をしたいのかです
まずは5つのことを整理してみる

転職するか迷っているなら、最低限この5つを一度書き出してみてください
- 今の働き方・条件はどうなっているか
- 今、何に悩んでいるのか
- 何を変えたいのか
- 働くうえで何を大切にしたいのか
- 理想の働き方・生活はどんなものか
頭の中だけで考えるより、実際に書いてみると
「思っていたほど給料には不満がないな」
「むしろ休日と家族との時間を増やしたかったんだ」
「介護を辞めたいのではなく、今の職場を変えたかったのかも」
といったことが見えてくる場合があります
ここが整理できれば
求人を見るときも「自分にとって必要な情報は何か」が明確になります
無料|「介護職の働き方・転職整理シート」を作りました

今回
「介護職の働き方・転職整理シート」
を作りました
転職を考える人に一度整理してほしいと思う内容を
実際に書き込める形にしています
シートでは
今の働き方 → 悩み → 変えたいこと → 大切にしたいこと → 理想の生活
→ 求人条件 → 求人比較 → 次の一歩
の順番で整理できます
満足度も10点満点で書き込めるので
「何となく不満」だったものを、自分なりに見える形にする
ためにも使ってみてください
\ 書きながら、自分の働き方を整理してみよう /
今の職場に残る場合も、転職を考える場合も使えます
シートを書いたら「求人を見るときの基準」にしてみよう

シートを書いたからといって
すぐに転職する必要はありません
むしろ
「今の職場も意外と悪くない」
という結論になってもいいと思います
一方で
「自分が希望する条件の職場って本当にあるのかな?」
と思ったら、その段階で初めて外の求人を見てみればいいんです
求人を見ることと
転職を決めることは別です
まずは自分の希望する条件が、今の介護・福祉業界でどのくらい実現できそうなのかを知るだけでも、判断材料になります
僕は転職サービスについても「どこが一番?」ではなく
自分が何を求めているかによって使い分けるものだと考えています
介護職向けの転職サービスについては別の記事で比較しています
「自分の条件を整理できたから、実際の求人も見てみたい」
という段階になったら、次に読んでみてください
参考資料|介護職の離職率と処遇改善について
介護労働安定センターの令和6年度調査では、訪問介護員・介護職員を合わせた離職率は12.4%で、2年連続で低下しています
「介護だからすぐ辞める仕事」と決めつけるのではなく
今の職場に残るメリットと環境を変えるメリットの両方を考えてみましょう
現在も介護職員等処遇改善加算はあり、2026年6月からさらに拡充されていますが、加算は事業所内で柔軟に配分できる仕組みです
したがって、「同じ会社にいれば個人の給料が必ず上がる」とは言えません
介護職は「辞めたいのに辞めにくい」

僕は以前、特養を退職するとき
有給消化はいらないです
と言ってしまったことがあります
今考えると
「いや、ちゃんと使えばよかったじゃん」
とすごく思います
でも当時は
「ただでさえ人が足りないのに、自分まで辞めたら申し訳ない」
という気持ちが強くありました
介護職員は、利用者と長い時間を過ごします
信頼関係ができれば
「自分が辞めたら、この人はどうなるんだろう」
と思うことがあります
これは介護職の優しさや責任感でもあると思います
でも
利用者を大切にすることと
自分の人生を大切にすることは
両立していいはずです
職場、利用者、同僚、家族、収入、将来
そして自分自身
全部を並べて
「自分はこれから何を大切にしたいのか」
を考えてみてください
まとめ|転職は「自分らしく働く」ための手段のひとつ

介護職が転職することには
メリットもデメリットもあります
今の職場で
- 経験を積む
- 資格を取る
- リーダーを目指す
- 収入を上げる
これも立派なキャリアです
一方で
- 別の介護施設へ行く
- 夜勤のない仕事へ変える
- 障がい福祉の仕事をする
- 児童福祉の仕事をする
- 新しい資格を取る
そんな道もあります
僕自身は
介護職員 → 主任 → 転職 → 障がい・児童福祉 → 保育士取得
と進んできました
現在はさらに社会福祉士を目指しています
最初からこの道を計画していたわけではありません
働いて、悩んで、学んで
少し方向を変える
その繰り返しです
だから
転職する?しない?
で行き詰まったときには
「今の自分は、何を変えたい?」と
一度問いを変えてみてください
今まで積み上げてきた経験は、転職したからといってなくなりません
その経験を持ったまま、次の道へ進むこともできます
転職はゴールではありません
自分らしく、楽しく働くための手段のひとつです
この記事内で紹介した
介護職の働き方・転職整理シート
も活用し、自分に合った理想の働き方を
みつけていきましょう
最後まで読んでくださった方
ありがとうございました





